メタボリックシンドロームの基本概念
1999年にWHOがメタボリックシンドロームの診断基準を発表し、
次いで2001年には、世界一の肥満大国とも言われるアメリカで、アメリカ人のための
診断基準を発表しました。
当時日本には日本人に適用する基準がなかったため、
2005年の4月に、日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、
日本動脈硬化学会、日本高血圧学会、日本腎臓病学会、日本循環器学会、
日本血栓止血学会、の8つの学会によって、
「メタボリックシンドロームの定義と診断基準」が策定され、公表されました。
この定義の中でメタボリックシンドロームは、
内臓脂肪蓄積を共通の発症基盤としています。また、インスリン抵抗性や
動脈硬化惹起性リポ蛋白異常、高血圧を合併すると心血管病を発病し易い状態
であるとされています。
メタボリック(metabolic syndrome)
とは直訳すると「代謝症候群」といい、今まで定義されてきた、
生活習慣病(肥満症・糖尿病・高血圧症・高脂血症)を複合している状態で、
心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気を発病しやすい
状態のことをいいます。
肥満症や糖尿病、高血圧症、高脂血症などを
個々に発病しているだけでも体に負担をかけていますが、近年では危険因子を重複していることが
大きな病気へ発展すると考えられてきました。
それぞれのタイプに合わせて、内臓脂肪症候群や、
シンドロームX、死の四重奏、といった概念の定義がされています。
また、「内臓脂肪症候群」は、言葉の通り、
内臓脂肪の蓄積が大きな原因であり、その他に
耐糖能異常(血液中のブドウ糖代謝に異常が生じること)や高脂血症、高血圧を
重複している状態を言います。
「シンドロームX」とは、
インスリンが効かない状態を作ってしまう、
インスリン抵抗性を基盤として考えられる症候群です。
インスリン抵抗性の他、耐糖能異常や高インスリン血症、VLDLトリグリセリドの増加、
HDLコレステロ-ルの低下、高血圧などが重複しています。
「死の四重奏」は、
肥満が大きな要因となり、耐糖能異常や高トリグリセイド血症、高血圧を複合している状態を表します。